ちょっとだけ修正【番外編】ロボトミーの思考  -情動を統御するテクノロジーへの道-

(少し修正を入れてみたじょ)   今回の考察では、微細脳機能障害概念誕の考察に先駆け、20世紀中葉に至るまでの脳科学研究の変遷に注目した。わたしが特に重視したのはロボトミー手術の誕生である。  日本の精神科に通院したことがある患者、あるいは患者に同行したことのある家族や支援者であれば、薬物治療は極めて身近な治療法だろう。もち…
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社会は逸脱者を必要とする(16) 〈不均衡〉へのまなざし(2)

(体調不良が予想以上に長引いてしまい、更新が大幅に遅れちゃいました。) 今回は、LD(Learning Disabilities)概念産みの親と言われるサミュエル・アレクサンダー・カークの知の体系を明らかにしていきたいと思う。その前に少しだけ、カークが生きた時代背景を紹介していきたいと思う。 (1)公民権運動の後に  …
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社会は逸脱者を必要とする(15) 〈不均衡〉へのまなざし

(これで今年の投稿はおしまい♪皆様、メリークリスマス&よいお年を)  優生学(あるいは人種改良学)を行動原理とした特殊教育学がアメリカ合衆国の主流となっていた20世紀前半、優生学を信奉する知能研究者の間で知能観を巡る大きな議論が発生した。そして、そこで提唱された考え方の1つ〈多因子説〉は1960年代以降の〈学習障害〉概念の成立にも…
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社会は逸脱者を必要とする(14) 特殊教育学の誕生② 人種と知能

 非行少年の矯正教育、伝染病の予防と治療、学校及び職場の衛生環境の改善、貧困地域の栄養状態の改善、精神衛生についての取り組み。そして〈不適格な遺伝子〉を持つ者が子孫を残さないようにするための女性に対する性教育、出産指導、〈不適格な遺伝子〉を持つ者に対する保護監督、断種手術、去勢手術。  これらは全て、1920年代以降の優生学(ある…
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社会は逸脱者を必要とする(13) 特殊教育学の誕生

前回まで3回の考察をまとめた上で、特殊教育学の誕生について考察を始めてみよう。  淘汰する優生学から教育、矯正する優生学へ。20世紀初頭に明らかになった優生学の知の体系の変化は特殊教育学の始まりを知る上でも、極めて重要である。  優生学は19世紀後半のヨーロッパ、アメリカ合衆国の進歩的知識人の間では広く支持者を獲得していた。…
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【増補】【外篇】監禁する優生学から矯正する優生学へ モンテッソーリ教育の知の体系 

(学会が終わったので、ちょっくら増補します)  繁栄する幸福な人間への再生を期待できる科学は優生学である。これは精神博弱やてんかんなどを慈悲深く見た成果であり、健康への道を見つけ、善き世界の門に導いてくれよう。(マリア・モンテッソーリ『続モンテッソーリメソッド』)  もう1度、前回の問題設定を再確認しておこう。  初期…
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【修正】社会は逸脱者を必要とする(12) 特殊教育学前史② 子どもの権利としての優生学-エレン・ケイ

 前回示した特殊教育学前史の構想を少し変更した上で、特殊教育学における重要な教育理念〈児童中心主義〉の祖とされるエレン・ケイ(1849-1926)の理論を考察していくことにしよう。  しばらくの空白期間にわたしに生じた疑問は以下のようなものであった。  〈児童中心主義〉とは、子どもの自己学習を重視するとともに、その特性を重視…
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【修正版】社会は逸脱者を必要とする(11) 特殊教育学前史① ミルの奇妙な英才児教育論

 ここからは、主に英米圏の特殊教育学の知の体系を明らかにするとともに、その体系からどのように〈学習障害〉概念が生成したのかを明らかにしていこう。  特殊教育学が、発達上目に見えにくい不均衡さを抱えるとされる子どもたちに注目するようになった契機は2つある。1つはこれまでにも述べた通り、学校義務教育制度の確立とともに教育問題化した〈学…
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社会は逸脱者を必要とする(10) 民族衛生政策と〈自閉的精神病質〉

 この障害は、社会への適応に重大な特徴的困難をもたらします。多くのケースでは、この社会性の問題は極めて深刻であり、ほかのすべてに影を投げかけます。ところが、ケースによっては、その問題は高水準の独創的思考と経験によって埋め合わされます。これが、後半生の類のない成果につながることがよくあるのです。私たちは、このタイプの精神病質をここに示すこ…
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社会は逸脱者を必要とする(9) アスペルガー前史② ナチス政権と〈精神病質〉

前回はハンス・アスペルガーの学問的基盤である治療教育学の誕生、そして〈精神病質〉概念の生成を見てきた。今回は1920年代からナチス政権誕生後の治療教育学の動向、そして〈精神病質〉概念の変遷について考察してみよう。今回は特に〈精神病質〉概念の整理に重要な役割を果たし後世にも影響を与えたクルト・シュナイダー(1887~1967)、ナチス政権…
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社会は逸脱者を必要とする(8) アスペルガー前史① 治療教育学の誕生

(やっと新しい仕事が軌道に乗ってきました。連載再開、と)  目に見えにくいグレーゾーンの子どもたちを発見し、観察し、解釈し、統御するために生み出された4つの知の体系(治療教育学、特殊教育学、脳神経科学、児童精神医学)。しばらくはこれら4つの知の体系がどのように誕生し、変遷したのか、そしてグレーゾーンの子どもたちをどのように発見し、…
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【ちょっと長い番外編】天才、あるいはギフテッド論の系譜(3)

(長かった番外編も今回で終わり。次回からは本題に戻ります)  ゴルトンの『遺伝的天才』とロンブローゾの『天才論』。2つの天才に関する知の体系は20世紀になっても、優生学者たちの間に影響を与え続けた。〈平均からの逸脱者〉のうち、〈天才〉と<精神薄弱>に注目したゴルトンの体系から見れば、<天才>と<精神薄…
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【ちょっと長い番外編】天才、あるいはギフテッド論の系譜(2)

 前回はイギリス優生学の祖ゴルトンの天才論の体系を見てきた。今回はチューザレ・ロンブローゾの天才論の体系を明らかにしていこう。 以前に、ロンブローゾがゴルトンとほぼ同時代のイタリアで、生得性犯罪者説を唱えていたことは紹介した。(以下の記事を参照のこと http://uramonken.at.webry.info/201208/…
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【ちょっと長い番外編】天才、あるいはギフテッド論の系譜(1)

(公私ともども非常にどたばたして、投稿非常に遅れました。)  いよいよ、1940年~1980年の知の体系に切り込もう!!。。。と思ったのだが、その前段階でやはり〈発達障害〉概念の生成に重要な役割を果たした議論について考察することを怠っていた。天才、あるいはギフテッド論である(ギフテッドについては番外編の中で随時詳しく紹介していく)…
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社会は逸脱者を必要とする(7) 4つの知の体系 -治療教育学、児童精神医学、特殊教育学、脳科学-

(かなり時間がかかりましたが、やっとこさ連載再開です。今回は次回以降の考察の流れを知る上で重要かも)  次回より、現在日本の行政用語で<発達障害>と呼ばれる概念の原型が生成された1940年~1980年の<社会の内なる障害児・者の発見>の動向を見ていくことになる。  出発点を1940年に置いたのは、1940年代に<発達障害研究…
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【周知】第9回障害学会

こうもりです。 「社会は逸脱者を必要とする」の連載は10月中旬から再開するとして、ちょっとだけ出没情報をお知らせしておきます。わたしはここ数年障害学会で性懲りもなく報告を続けているのですが、今年もまた壇上報告をさせていただくことになりました。 テーマは「<飼育>とは何か」。周囲からは<障害者>とは見なされていないグレーゾーン…
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【番外編】司法制度の設計を考察する

(ちょっと体調不良中のため、今回は軽い文章でめんご)  平成24年7月30日、それほど大きくは報道されなかったが、広い意味で障害というテーマを扱っている関係者たちに衝撃を与えるような判決が大阪地裁で出された。 【判決までの流れ】  事件そのものを考察することが本稿の目的ではないので、事件は簡潔に紹介するに留めよう。…
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【増補】社会は逸脱者を必要とする(6) ロンブローゾの生来性犯罪者説 -生物学的逸脱者観の生成ー

(1)生物学的逸脱者  本題の生得性犯罪者説に入る前に、前回紹介したアメリカ優生学のヘンリーHゴダードの説を別の角度から考察しておこう。  <脆弱>から<脅威>へ、<淘汰される者>から<増殖する者>へ。ゴダードによって知的障害観は大きく 塗り替えられた。19世紀後半のダーウィン進化論の影響を受けたイギリス優生学は知的障害者…
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社会は逸脱者を必要とする(5) 知能検査の包囲網 -アメリカ合衆国における<精神欠陥者>の発見-

 今回は合衆国における<軽度知的障害児・者>の発見を事例に考察を進めていこう。 合衆国もまた、19世紀末から20世紀初頭に他の<教育先進国>と同様、学校義務教育制度の確立を見た。そして、やはり他の教育先進国と同様、学校義務教育制度の確立とともに、普通学級で<学習不振児>と<行動異常児>が大量生産される事態を招き、<精神歯薄弱児…
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【修正版】社会は逸脱者を必要とする(4) イギリスにおける<軽度精神薄弱児>の発見 善意の包囲網

 今回はイギリスにおける<軽度精神薄弱児>の発見について考察をしていきたい。特に政府、公共部門の報告書において、はじめて<軽度精神薄弱児>を障害児教育の対象とすることを勧告した1894年「盲・ろう王立委員会」の報告書の作成過程に注目する。 (1)時代背景  以前にも述べたように、イギリスはチャールズ・ダーウィンの従兄にあたる…
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