【現在】憂鬱な清掃

 就労支援が障害者を雇入れる事業所に対して行う支援の中に、業務設計というものがある。具体的には、雇い入れた障害者にどのような業務を提供するのか、どのような手順、スケジュールで作業を進めるのか、業務遂行に際してどのような配慮を行うのかなどに関する助言が行われる。その内容は必要に応じて、雇われた障害者にも紙面で渡されるだろう。  では…
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【現在】就労支援が障害者を振り分ける時

かつて、教育社会学者広田照幸は概ね以下のようなことを講演で述べていたことがある。 「学校は生徒に様々な進路の可能性を提供するとともに、生徒の進路を振り分けていく機能を有している。」  進路の振り分け機能は労働政策にとって不可避なものであり、歴史的にも20世紀初頭に誕生した公共職業安定所、職業訓練機関は、失業者に再就職の機会を…
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【現在】職場不適応者の活用法

 障害者雇用の問題点のうち、比較的発達障害者にも関係ある職場不適応者の障害者雇用への切り替えについて、思うところを述べておこう。  自助グループなどに顔を出すと、分かることなのだが、筆者と同世代か後の世代の発達障害当事者は離転職が多く、働いていても、非正規雇用で働いている人が多い。それに比べて、筆者より前の世代(40代後半以上)で…
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【現在】社内失業

まずは言葉を定義しておこう。社内失業とは事業所と雇用契約を結び、働いてはいるが、就業時間中は待機時間が長いか、ダミー業務(時間つぶしのために与えられる業務)を行っている労働者の状態。働いているが、意味のある労働に従事しているとはとても言えないという意味で社内失業という言葉が使用されている。ピアサポートグループなどで話を聞いていると、障害…
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【番外編】アブノーマライゼーション宣言(第2版)

(現在の連載からは離れますが、久しぶりにアブノーマライゼーション宣言を話題にしようと思います。) 本ブログにおいて初めてアブノーマライゼーション宣言を発表したのは、2008年10月14日のことだった。宣言は修正されることなく、現在も本ブログに掲載されている。 http://uramonken.at.webry.info/20…
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【間奏】まとめ -社会衛生学の後に-

 時間が経ってしまったので、少しおさらいをしておこう。  国民の産業を発展させ、退化を防止するための労働者の〈質〉の向上。主に貧困労働者層に担われた兵士の〈質の向上〉。主にこの2つの目的を達成するために20世紀初頭のフランス,イギリスでは社会衛生学という体系が成立した。英語で言うhygieneは19世紀のsanitationと異な…
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【間奏】社会衛生学への道(3) 人口の<質>

 今回はハヴロック・エリス(英、1859-1939)の社会衛生学の特徴についてを考察することである。しかし、しばらく事実の羅列のような記述が続いていたので、先に若干の整理を行っておくことにしよう。 (1)sanitationからhygieneへ  前回まで、19世紀中葉のイギリスとフランスにおける都市政策を概観した。いずれの…
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【間奏】社会衛生学への道(2) フランス社会衛生学の生成

 貧困労働者を〈社会的脅威〉と見なした上で、治安と衛生を改善するために都市を改造すること。これが19世紀のイギリス都市政策の重要な特徴だった。同様の動きは、革命後の政情不安が続いたフランスでも、19世紀後半に見られるようになる。そして、フランス衛生学から派生した社会衛生学こそが、ハヴロック・エリス(1859-1939)のイギリス社会衛生…
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【間奏】社会衛生学への道(1) 脅威としてのイギリス貧民街

(間奏とは思えぬほど話が長引いている。。。しかし、じっくり考えながら話を進めていくぞ~。)  ヘレン・ケラーの〈精神薄弱〉に対する考え方はアメリカ産児調節運動の影響を受けていることを前回の考察で述べた。そして、産児調節運動が理論的基盤としていたのが、イギリス社会衛生学であることも明らかにした。今回と次回の考察では、20世紀初頭の…
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【間奏】ヘレン・ケラーと〈黒いコウノトリ〉② 衛生、産児調節、優生学

 ヘレン・ケラーが少なくとも1915年の段階で〈精神薄弱者〉を社会の〈お荷物〉〈脅威〉〈潜在的犯罪者〉と捉え、〈精神薄弱者〉本人の同意を得なくても、医師の見地に基づく消極的安楽死は認められると考えていたことは前回確認した。ケラーが医療の科学性に絶大な信頼を置いており、優生学の影響を強く受けていたことはほぼ確実である。  1910年…
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【間奏】ヘレン・ケラーと〈黒いコウノトリ〉①

(今まで行った考察の製本は大幅に修正した上で悪戦苦闘の末終了。新しい考察に突入します)  今回はこれまでの考察の視点から、これからの考察の視点に移行するための過渡的な考察を行う。考察の対象となるのは今から100年前の1915年に起こった消極的安楽死事件とそれに対するヘレン・ケラーの見解についてである。 (1)〈黒いコウノトリ…
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社会は逸脱者を必要とする(25) まとめ② 〈矯正すべき人物〉/優生学

最後の考察に入ろう。2つのことを考えてみたい。  まず、本書はミシェル・フーコー(1925~1984)が1975年の講義で発した〈矯正すべき人物〉という問題提起を考察の出発点に据えている。フーコーの問題提起の内容を明らかにした上で、現時点で筆者が考えていることを述べる。  次に、連載の中で優生学にたびたび言及してきたが、優…
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社会は逸脱者を必要とする(24) まとめ① 〈発達障害〉前史の時系列的整理

かなり時代が前後しながら事例考察を進めていたため、今回はこれまで考察したことを時系列に整理してみよう。 【1850~1880年代】  ヨーロッパではイギリス以外の国でも産業革命が進むとともに、子どもの就学率が急激に上昇していた時期だった。反面、都市部では劣悪な衛生環境によるとされる疾患や障害者の増大、貧困層の増大、犯罪や売春…
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【微修正】社会は逸脱者を必要とする(23) 診断を巡る狂騒曲 1980年代における診断の再編成

 個別の事例考察は今回で終了する。次回からは2回かけてこれまでの考察のまとめを行うことになるだろう。今回は1980年代初頭に発生した〈発達障害〉診断の再編成について考察を行っていきたい。 (1)診断を巡る混乱とDSM-3の登場  1980年以前の精神医学界において診断は極めて錯綜していた。精神科医間の診断の一致率は低く、同じ…
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【ちょっとだけ修正】社会は逸脱者を必要とする(22) 〈共同治療者〉と〈治療されるべき者〉

 今回の考察では、1970年代後半の自閉症研究における動向により、臨床家、家族、自閉症児・者の三者関係がどのように変化したのかを扱う。特に注目したのは、エリック・ショプラー(1926-2006)による三者の関係関係の方向転換である。 (1)自閉症研究の重要な転換 ラターとショプラー  1976年にスイスのセント・ガレンにおい…
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社会は逸脱者を必要とする(21) 〈冷蔵庫マザー〉と〈優秀な家族〉 1960年代の自閉論争

 新たな集団が発生する時、その集団には多くの場合〈建国神話〉が発生する。〈神話〉は、以下のような筋書きになる場合が多い。 ①ある属性を持つ人々が長期間に渡って、迫害(例えば、隔離、監禁、排除、狩り、偏見など)にさらされていた。 ②迫害されていた人々の中から英雄が現れ、人々の先頭に立って迫害者たちと戦った。 ③戦いの末、迫害され…
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社会は逸脱者を必要とする(20) カナーと自閉症

 前回のおさらいを少しだけしてから、本題に入ろう。  1950年代以降、先天的な発達の遅れ、あるいは不均衡があるとされる人々を対象とする臨床家たちは〈護教団〉を必要とするようになった。〈護教団〉とは、臨床家たちの説、取り組みを支持し、ピアサポート、広報活動、ロビー活動を担ってくれる家族会のことだ。臨床家たちは、〈心身の機能不全〉に…
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社会は逸脱者を必要とする(19) 〈微細脳機能障害〉、〈学習障害〉、そして親の会 

 前回は〈脳障害〉概念産みの親アルフレッド・A・シュトラウスの事績を確認した。今回はシュトラウスの広告塔として、〈脳障害〉及びシュトラウス教育法の普及に尽力した広告塔リチャード・S・レーヴィスの観点から考察をしていこう。科学ジャーナリストであり、〈脳障害児〉の親であったレーヴィスは、同時代の親の会の動向に極めて敏感であった。そのおかげで…
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社会は逸脱者を必要とする(18) 源流としての〈脳障害児〉

(PC故障のため、投稿がえらく遅れてしもうた。ここからは気合を入れて執筆を進めていくぞ~)  前回はADHD前史として非行臨床の変遷を概観してきた。その後1957年にはモーリスW.ラウファーとその研究協力者によって〈多動症的衝動障害〉の記述を行い、1961年には子どもに対する中枢刺激剤メチルフェニレード(リタリン)がアメリカ合衆国…
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【少し増補】社会は逸脱者を必要とする(17) ADHD前史① 

今回のテーマにも関係があるので、前回番外編で考察したことを少しだけおさらいしてから本題に入ろう。  20世紀を前期、中葉、後期の3期に分けるのであれば、アメリカ合衆国の20世紀前期は監禁、隔離の時代だっとと言えるだろう。社会の中で〈脅威〉と見なされた人々は施設、病院に収容されるのが通常であった。これまで話題にしてきた〈精神薄弱者〉…
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