【過去】学校優生学

 ある国において優生政策を実現するために不可欠な公的機関は何だろうか?生まれてきた全ての児童をスクリーニングする機関である。スクリーニングとは ターゲットとなる集団に対して実施する共通検査によって、目標疾患の罹患を疑われる対象者あるいは発症が予測される対象者をその集団の中から選別すること である。前回取り上げたように、乳幼児健診が広く国…
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【過去】健診優生学

 列強と呼ばれた国々で、両大戦間期に始まった母子保健衛生を利用した優生学について紹介しよう。  両大戦間期になると、さすがに学校義務教育制度はある程度確立し、校医を通じて、生徒、保護者に衛生指導を行うことができるようになっていた。しかし、この段階で未解決だったのが、5歳以下の乳児期の衛生指導だった。特に労働階級の貧困層では一家の収…
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【過去】母親優生学

 筆者が研究している20世紀初頭というのは、当時列強と呼ばれた国々の婦人運動家の間で児童に対する母親中心主義家庭教育の議論が沸騰していた時期だった。 それ以前でも、家庭教育の担い手はどちらかと言えば女性であったことは事実なのだが、どの階級でもそれぞれ異なる事情から家庭教育の中心的な担い手は実の母親ではなかった。例えば、イギリスであ…
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【過去】生活扶助優生学

そろそろこの議論の狙いを明らかにしていこう。この議論が目指すところは、非身体侵襲系優生学の手段を明らかにしていくことである。断種手術を身体侵襲系優生学の典型であるとすれば、非身体侵襲系優生学は標的とする障害者の生殖器に対して不可逆的な介入、あるいは長期間に及ぶ後遺症を残すような介入は行わない。あくまで、その障害者に対して肉体的苦痛、取…
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【過去】施設優生学

 労働というテーマとは間接的なつながりしか持たないかもしれないが、筆者の第二専攻とも言うべき優生学について、論じることにしてみよう。  現代では優生学と言えば、断種手術と結びつけて論じられることが多い。確かに優生学の実践において、断種手術は身体的への侵襲性が高いこと、被害者が子どもを産む機会を剥奪すること、不可逆的な介入であるため…
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【現代】女性職場と男性障害者

 久しぶりに障害者雇用の現場における伝聞情報を題材にした考察でもしてみることにしよう。  よくある話なのだが、男性のASD、知的障害者が障害者雇用で働く時、その職場において事務補助に従事している女性たちの多い部署に配属されることが多い。理由はいくつかあるのだが、事務補助で働いている女性職員は出張が少なく、障害者スタッフの見守りが…
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【過去】母親が子どもを育てていたのか?

 今日は締め切りに追われているので、簡単な雑学提供ということで。  一般的にはイギリスのヴィクトリア朝時代は女性の性的役割が強化された時期であると言われており、母親が家庭で子どもの育児と衛生に細心の注意を払いながら見守ることが当然視されるようになった時代だったとされる。  もちろん、子どもの育児、衛生が女性の役割とされる…
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【現代】現代日本における「2種類の障害者」

 2018年8月より話題となっている日本の障害者水増し雇用問題に絡んで一部では10月半ばごろから話題になっているのは、中央省庁、地方自治体における採用基準の問題点。簡単に言えば8省庁(財務、国税、関東信越国税局、東京税関、防衛省、原子力規制庁、個人情報保護委員会、農林水産省)と32都道府県が障害者雇用の採用条件に「自力通勤できること…
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【未来】「労働参画」への道

 まずは「労働参画」という聞き慣れない言葉について、「労働参加」と対比しながら説明しておこう。現在、障害者雇用対策を通じて行われているのは、多くの場合「労働参加」である。これは既にある職場、あるいは事業所に障害者が参入し、業務の一角に食い込むことである。この場合、障害者雇用対策の諸制度、障害者の雇い入れ計画、雇用条件、業務内容、物理的環…
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【未来】購買力理論

まだ、粗削りだが、ここ最近、筆者が考えていたことを紹介しておこう。  1980年代半ばごろから様相が変わったとは言え、20世紀の先進国と呼ばれた国々では政府、行政部門、そして企業は生産力となりうる労働力、あるいは将来の労働力に多くの投資が行われていた。例えば、将来の労働力予備軍である子どもに対しては障害や疾患を予防するための保健衛…
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【過去】アスペルガーと安楽死プログラム

2018年4月22日のFB記事を転載 時事通信から日本語の記事が出回っているので、すでにご存じの方もおられると思うが、「自閉的精神病質」の発見者であるハンス・アスペルガーの障害者安楽死プログラムへの関与について新しい研究が発表された。 論文の執筆者である 医史学者ヘルビヒ・チェフ(Herwig Czech)氏が指摘している…
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【現在】業務を調達する

あまり、筆者向きの議論ではないが、少し建設的な提案もしておこう。    一般就労という形であれ、就労継続A型、B型における労働であれ、障害者の労働参加には業務の確保という問題がつきまとう。一般就労の場面では、障害者雇用で働いている当事者が度々手すきの状態になり、待機状態になることはすでに述べた。大手企業であっても、いや大手企業だから…
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【現在】障害者雇用率(割当雇用)制度を再考する

ここからしばらく制度面の考察を行ってみることにしよう。  今回の中央省庁、地方自治体による障害者雇用水増し問題においては、障害者雇用対策を率先して行うべき公的機関が水増しを行っていたことが問題にされている。これに対して、『障害者の経済学』の著者中島 隆信氏のように「障害者雇用率制度は制度疲労を起こしてしまっている」とする見解も紹介…
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【未来】社会的協同組合

 社会的企業については前回紹介した通りである。今回はその中でも、障害者支援、あるいは障害者運動の分野での参照されることの多い社会的協同組合に焦点を当ててみよう。  まず、社会的協同組合の定義だが、国際協同組合連盟の定義では「協同組合は共同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的、社会的、文化的ニーズと願いを満たすために自…
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【未来】アソシエーション(自発的民間団体)への再帰

前回で職場定着支援の現場で感じる障害者雇用の問題点は出尽くした感じなので、社会政策学会で学んだもう一つの成果社会的企業について論じていくことにしたい。  近年の社会保障費の縮減傾向に半分あきらめムードが広がっているためだろうか?どちらかといえば、社会保障における政府、行政部門の役割を重視する政策学であった社会政策学の世界では、社会…
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【現在】長期的展望

だいぶ長々と現状の障害者雇用の問題点について思いついたことを書いてきたが、今回でそろそろ終わりにしよう。次回以降は、障害者雇用とは別の選択肢として、社会的企業、あるいは社会的協同組合という構想について考えていくことにしよう。 障害者雇用問題の最後を飾るのは、長期的展望である。具体的には雇われた障害者の長期育成計画について考えていく…
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【現在】障害者雇用も下請け化する

近年の大手企業は人件費を削減するために自らは多くの職員を雇わず、組織のスリム化を進めてきた。そして、基幹業務以外(清掃、事務、PC関連)は人材派遣会社、請負業者から労働力を調達する傾向が強まっている。その影響は障害者雇用の分野にも重要な影響を及ぼしつつある。ここでは、法定雇用率、業務設計、指揮系統という観点から問題を考えていくことにしよ…
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【現在】自発的退職勧誘

障害者雇用というのは、様々な雇用の中では比較的解雇要件が厳しく、事業主側も簡単な理由では解雇をすることはできない。しかし、だからこそ、巧妙な退職勧誘の技法が横行してしまいやすい分野と言える。その巧妙な手口の一つが筆者の言う自発的退職勧誘である。  言葉の説明をしておくと、退職勧誘というのは、事業所から明確に言語化した形で退職を迫ら…
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【現在】支援者が対話の回路を破壊する時

いちおう障害者雇用だが障害者支援の末端で働くという生活を今月で4年半続けたことになる。正直、障害者雇用で働くことに馴染めたとは言い難いが、決して悪いことではない。無理に馴染もうとはせずに、障害者雇用の疑問点を考えていくことにしよう。 障害者支援に限らず、支援という仕事をしていると、次第に小細工を弄したコミュニケーションに馴染んでい…
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【未来】「福祉から就労へ」と「半福祉・半就労」

9月17日まで北海学園大学で開かれた社会政策学会のまとめをというリクエストがあったので、まとめておくことにしよう。欧米、日本などを含めて現在の社会政策は大きく「ワークフェア」と「アクティベーション」の二つに分けられる(ベーシック・インカムも一つの潮流ではあるが、今回は割愛する)。両者とも、労働に中心を置く政策と言えるが、ワークフェアがあ…
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