【現代】事業協同組合等算定特例の現在

 障害者就労支援についてはあまり建設的な話題提供もできていない気がするので、あまり使われていない制度だが、特例子会社制度と同時に誕生した事業協同組合等算定特例という制度を紹介しておこう。

 これは欧米の障害者雇用の取り組みについても言えることなのだが、割り当て雇用(簡単に言えば会社の従業員数に応じて、一定の割合で障害者を雇用する)という制度を採用している国では、障害者が多数雇われる代わりに、障害者が多数仕事からあぶれるという状態になりがちである。理由は簡単で、障害者雇用を先に開始するのは、大企業なのだが、大企業は基幹業務以外の単純業務(例えば、事務、清掃など)を派遣労働、外注業者に委ねたり、工場を海外に移転したり、フィンテックを導入するなどして比較的障害者雇用の人が従事しやすいと言われる定型業務をあまり持っていない。一方、中小企業では人手不足倒産が起こるぐらいに深刻な人手不足に陥っている企業も多いのだがが、余裕がないという理由で、法定雇用率未達成企業でもあまり障害者を雇おうとはしない。
 
 このうち、中小企業で障害者雇用が思うように進まない問題を解決するために平成21(2009年4月に大企業の特例子会社制度とセットになって生まれたのが、今回話題にする事業協同組合算定特例という制度である。くわしい制度の特徴は下記のPDF資料をご確認いただきたい。

file:///C:/Users/PCUser/Desktop/72.pdf

 簡単に言ってしまえば、業務量はそれなりに持っている複数の中小企業が特定事業主として、雇用促進事業に参加し、特定事業主が提供した業務を事業協同組合が請け負うという形で、ワークシェアを進めていくという形になる。事業協同組合の会員である特定事業主は業務提供の義務を負うことになるが、事業協同組合に雇われた障害者は特定事業主の雇用率にカウントされるということになる。

 この方法を使うと、雇用された障害者が仕事からあぶれるという事態は回避できる。有意味な労働にはなる反面、業務内容がその障害者が望むものなのか、低技能労働しか回されず、障害者のスキルアップにはつながらないのではないかという課題も指摘されている。また、この制度があまり普及していない理由の一つとして、日本では就労継続A型、B型という制度があったため、障害者に業務を回す気のある中小企業であれば、就労継続型に回していたということが挙げられる(特に地方の中小企業では就労継続A型を設立し、利用者と雇用契約を結ぶことで、法定雇用率を満たそうとする企業が多かった)。


 賛否両論があるが、障害者雇用のあり方を検討してみるという意味では実験的に行われる価値のある制度ではある。

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