【現代】「断種」手術の今

※いくらかショッキングな内容を伴います。ご容赦を

 かつて優生学において「断種」手術、あるいは優生手術と呼ばれた手術は男性であれば 精管結紮手術、女性であれば 卵管結紮手術という。

詳しくは以下のサイト参照

https://kanto-clinic.jp/pipecut

 少ししつこいかもしれないが、それぞれの手術の特徴を簡単に記しておこう。

 精管結紮手術は 精巣から前立腺に向かって伸びている2本の精管を結紮(縛る)する手術のことであり、バセクトミー手術とも呼ぶ。パイプカット手術という通称もあるが、これは和製英語であり、医学の分野では使用されない。現在は陰嚢に穴を空けてメスを使用せずに施術する方法( No scalpel Vasectomy)もあり、より安全な施術としてけっこう利用されている。一方、卵管結紮手術は卵子の通り道である卵管を結紮する方法であり、女性の身体に対する負担が大きいため、1990年代以降は「断種手術」の中でも特に問題視された施術であった。

 現在はコンドーム、ピル(緊急ピル)、 子宮内避妊器具 (IUD) などの避妊方法もあり、そこまでバセクトミー手術まで進むケースは少ないのだが、ピル、IUD、卵管結紮手術は女性の身体への負担、あるいは副作用が多いことから、一部の泌尿器科において、母体保護法の範疇で、実施されることがある。男性が施術を行うのは、原則的にはパートナーの女性の母体に負担をかけないという場合、コンドームではわずかな確率で避妊に失敗することがあるという理由である。ただし、現状では、性風俗で働く女性、あるいは男性が「中出し」しても妊娠をしないようにという理由で、あるいは妊娠をせずに性関係を楽しみたい男性、女性が事実とは異なる理由を述べてバセクトミー手術を希望する場合もあり、ある程度は医療機関において理由を聞いてから施術するのが一般的である。バクセトミー手術は現在では施術後に生殖能力を復元することは可能だが、ある程度の確率で復元不能になってしまうため、すでに何人かの子どもがいること、あるいは異性パートナーとの同意が取れていることなどが、推奨されている。

 母体保護法においてバクセトミー手術は現在では施術後に生殖能力を復元することは可能だが、ある程度の確率で復元不能になってしまうため、 美容外科医が違法に施術を行い、問題になることもある。

 現在、バクセトミー手術が、遺伝的な理由で利用される可能性は少ない。ヒトゲノムの解読が進み、遺伝の複雑なメカニズムが明らかになり、特定の遺伝の組み合わせを持つ障害者だけに施術を行うことの意味がなくなってしまったからである。ただし、現在でも欧米には「この障害者には養育能力がない」という理由で、障害者家族が障害者へのバクセトミー手術を求める可能性は皆無とは言えない。優生技術は目的を変え、様々なところに残っているのである。

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